【番外編】マタンゴ。

日本のB級ホラーの傑作で、「マタンゴ」という映画がありました。


男女数人のグループが難破して、たどり着いた無人島で見つけた謎のメッセージが「マタンゴに気をつけろ」。
マタンゴとはその島にだけ生えているキノコのことで、食べると身体からキノコが生えてきて、頭の狂ったキノコ人間になってしまうのです。仲間たちは一人また一人とマタンゴを食べてキノコ人間になっていく中で、主人公だけが抵抗を続けます。最後に主人公は日本に帰ってくるのですが、その時には正気は保っているものの、半分人間、半分キノコ人間の状態なので監禁されてしまっています。そして思うわけです。「連中と一緒にマタンゴを食べていた方が、幸せだったのではないだろうか」。
いやぁ、本当に、世の中には喰ってはいけないものってあるものですよ。不倫なんてそんなものですよね。本人たちは幸せなんでしょうが、傍から見たら「こいつら正気じゃねえな」という感じです。まさにマタンゴです。
権力もマタンゴかもしれません。権力の座に就いたとたんに人間性が変わってしまった権力者のどれほど多い事か。プーチンさんだって、マタンゴを食べて満足しているうちに、いつの間にか正気を失っちゃったのかもしれません。
で、関係ないけど、フィリピンの生活もマタンゴと同じで。ここに住み始めると、なんでもかんでも「どうでもいいじゃん、気にしない、気にしない」という気になってしまうのです。日本だったら「ちったぁこだわれよ」となりそうなところでも、「まあいいじゃん、どうにかなるよ」という気になってしまいます。
そのうちになんでも後延ばしにするクセがついてきて、そしてついには
「お前、人間変わったよな」なんて言われはじめるのです。
フィリピン生活はマタンゴだ、といいたかったのですが、こうして考えてみると、世の中にはいろんなマタンゴが転がっていそうですね。