【番外編】「スーパー台風セブ直撃!」の巻 その5


さて、街の中がどうなっているかというと、実はかなり混乱している。
セブはそもそも大きな台風に襲われたことのない安全な島と言われていたので、ほとんどが何も準備をしていなかったようなのだ。実際,普通なら台風の発生はもっと太平洋の北側で、そもそもセブは通らない。また仮に今回のようにかなり南側で発生しても、太平洋とセブの間にはレイテ島があるため、レイテを通過する際に勢力が大幅に削がれるのだ。今回は異例中の異例なのだ。
さて、そんなわけでほとんどの人は何の準備もしていなかったようで、台風翌日の朝からあちこちで渋滞が発生していた。車に乗って買い出し,というのは誰でも考えることなのだ。さらに間が悪い人たちはガソリンも不足しているということで、ガソリンスタンドには朝から晩まで長蛇の列ができていた。その列がただでさえ狭い道をさらに狭くしているうえに、停電で信号が止まっているので、もう外はひっやかめっちゃかである。
最近ではフィリピンもGCashという電子決済が一般的になっていたのだけど(特にコロナの期間中のネットショッピングも手伝って、あっという間に普及してしまった)、ネットが不安定ということで電子マネーも使えなくなってしまった。お陰でキャッシュの需要が増えてATMはどこも長蛇の列となった。スーパーマーケットも、レジでは長蛇の列ができていて、しかももうコロナのソーシャルディスタンスなどどこかへ行ってしまった感じだ。この後コロナが再び爆発でもしたら目も当てられない。
ちなみに混雑はDIYショップも同じだそうだ。今回の台風でほとんど全ての家に被害が出てしまった。そのおかげで誰も彼もがDIYショップに殺到するようになったのだ。
それにしても,自然の力というのは本当に恐ろしいものである。
一体いつになったら都市機能が回復してくれることか。
とりあえず電気だけでも回復してくれるといいのだが……。(と、いうわけで、これは台風直撃5日目に書きました)